現実だけど夢のような…そんな感覚のまま葬儀を迎えました。
きっとミナだけではなく、オサムちゃんノリちゃんも、周りの皆もそうだったと思います。
カナの取り巻きの人達が、大勢参列してくれました。
六百人からの人達がカナの為に集まってくれている・・・
(カナ?見えてるよね?…こんなにも沢山の人達が来てくれてるよ…)
(こんなにも皆に愛されていたのに何故…)
(解ったよね?カナは一人ぼっちじゃなかったんだよ?…でも後悔だけは絶対するな!!)
ミナは、心の中でそうカナに言いました。
通夜の席でこそ泣いてはならないと、ミナは感情を押し殺していました。
お経が始まり、ノリちゃんの啜り泣きが聞こえ・・・
(…仕方ないんだよ、カナが自分で決めたことなんだから…)
(…悲しんでちゃ、カナ安心して逝けないよ…)
ミナはそう思うしかありませんでした。
ノリちゃんの涙の意味は伝わってきました。
いつも筋道を立てて、何でもきちんと話していたカナですから、
こんな理由の無い居なくなり方は、納得出来る訳が無いと・・・
ミナはお経が読まれているあいだ中、体の異変を感じていました。
深呼吸が出来ないくらいの苦しさと激しい鼓動。
少しでも感情を抱けば倒れてしまうと感じた時、恐怖が襲ってきました。
(…恐い…でも負けちゃ駄目…絶対に負けないから…)
そう思った所で治まる訳でもなく、益々ひどくなり。
隣に座っていたマサ○に何度も背中を叩いてもらい、その場をしのぎました。
通夜が終わり、参列者の見送りの時。
カナの友達の多さに、改めてカナという人間を見た気がしました。
「…姉ちゃん…大丈夫?…」…心配してくれる言葉の数々。
カナに何もしてあげられなかったと泣き叫ぶ子も居ました。
(…誰も悪くないよ…カナが自分で選んだ道だからね…)
(…負い目なんて感じる必要ないからね…)
自分に言い聞かせるつもりでその子に言いました。
親族が集まった会食の場では、身内ならではの話が繰り広げられていました。
他愛も無い井戸端会議、とでも言うべきでしょうか。
悲しみを隠して、のことなのでしょうけど、ミナはそれを嘘臭く感じ…
(…カナ…何だか寂しいねぇ…起きて本当の事言ってやれ(笑))
ミナは、箱に入れられたカナの頬を触り小声で言いました。
似てないと言われてきたミナとカナ。
目を閉じたカナの顔は、改めて見るとミナとそっくりでした。
・・・以前、カナと話したことがありました・・・
ミナは、再婚してから、とりあえずまともな生活してるけど、
カナは、何だか、だんだん落ちてきてるよね。
どっかで入れ替わったみたいだね・・・と・・・
この事をマサ○に話すと、縁起でもない事言うなと怒られましたけど。
ただ、マサ○は再婚前の状態を知っているだけに、
「あのままだったら、オマエも分かんなかったよな」…そう言いました。
どこかで運命が入れ替わってたのかもしれない。
もしかしたら、カナがミナの身代わりになったのかもしれない。
心の片隅に、そんな想いが芽生えました。
【続く】
2009年02月25日
負けられない戦い U
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