2009年02月02日

本当の自分との戦い

 その出来事は、キョウとジンの会話から知ることとなりました。
居間で家具の配置を考えている時に現れた二人は、何やらコソコソと話していました。
((・ω・)なした?邪魔しに来たんなら別な部屋行ってよ?これやっちゃわないと座れないし。)
ジ「言ったほういいんじゃないの?」
キ「・・・・・・・・」
((・ω・)なしたってさ?)
ジ「言ったほういいって。」
キ「・・・あのね、昨日の夜なんだけど・・・」
話し始めたキョウは、いかにも口にしたくない事を話している様子でした。
それもそのはずです。
夜中に自分の部屋に誰かが訪れたと言う話ですから。。。
キ「パパかもしれないし、違うかもしれない。…分からない。」
(…ママはパパじゃないと思いたいな。)
(夜ね、鍵かってないから、誰でも入れるんだよ。)
(今、お家出来たばっかりで、大工さんも鍵持ってるしね。)
(もうこんなこと無い様に、夜はちゃんと鍵かるからね。)
(もし、また同じことがあったら大声出すんだよ?分かった?)
(何か変わったことあったら、すぐにママに言うんだよ?分かった?)
ミナの様子の変化に敏感な子ですから、何かを感じ取ったようでした。
キ「…もしパパだったらママどうするの?」
(言ったじゃん。パパじゃないと思うよって?)
キ「…パパとママがケンカしたら、またお父さん居なくなるから嫌なんだもん…」
この時のミナは、自分の心はともかく、キョウの心を楽にさせてあげようと必死でした。
心臓が壊れそうなくらい激しく鳴り響き、でもそれを悟られまいと必死でした。
まさかマサ○がそんなこと・・・
一番恐れていた事がこんなにも早く、しかも現実として起こってしまうなんて。
言葉では表すことの出来ない衝撃と虚しさ。
涙を流しながらミナを心配するキョウの気持ち。
その全てが、ミナに重くのしかかってきました。
笑って済ますことも、怒り狂うことも出来ず、ただ黙々と部屋の片付けをしました。
 遊びに出掛けたマサ○が帰宅したのは、子供達が寝静まった頃でした。
いつもと変わりなく、パチンコの結果報告を始めました。
表情一つ変えずに、うん、としか答えないミナの様子に、マサ○は気付きさえしません。
イライラしながらも、マサ○が話し終えるのを待ちました。
(アンタ昨日さ、夜中に帰って来てたよね?…帰って来てすぐ何してたの?)
ゲームやってたべや。オマエ、トイレに行ったから分かってるべや。)
…確かに、目が覚めたのです。
寝ぼけ眼で、ゲームの画面も見、戸が開いていた玄関にあった靴も見、そしてトイレに行きました。
時化で仕事にならないから帰って来たのだと思いましたが、冷静に考えると、
トイレに行く時居なかったマサ○が、戻ってきた時にはゲームをしていたと気付きました。
(トイレに行く時居なかったのに、戻ってきたら何で居る?どこに居た?)
「姉ちゃんの部屋、電気ついてから消しに行ったべや。」
(…で、何した?)
「何もしてねえよ。」
…ばれてないと、よっぽど自信があったのでしょう。
ミナの目をしっかりと見つめ訴えるマサ○。
そんなマサ○を見るに絶えず、ミナは核心に迫りました。
(…今日ね、姉ちゃん、泣きながらミナに言ったよ。パパかもしれないって。)
(違うって言ったってばれてるんだよ?よくもまあ、そんな真剣な顔で言えたもんだね。)
「・・・・・・・」
(アンタは自分の子供として迎えてくれたんだよね?)
(自分の娘、自分の興味だけで好きに扱う親って居るか?聞いたことあるか?)
「・・・・・・・」
(冗談じゃないわ。やってられないし、正直、続けたいとも思わないね。)
(ただ、アンタが犯人だって子供達に言うわけにいかないんだよ。)
(パパが居なくなるの嫌だって泣いてたんだよ?)
(ただでさえ傷付いてるのに、傷深くさせるようなこと言えないんだよ?)
(今、ミナがどれだけ苦しいか分かるかい?)
(何でアンタは好きにやってるくせに、ミナがこんな目に合わなきゃなんないんだよ?)
「・・・ごめん・・・本当にごめん・・・」
 心が乾いていくのは目に見えていました。
でもミナは・・・我慢する道を選びました。
母子家庭で育ってきた子供達が、どんな思いをしていたのか。
片親でも大丈夫と、自信を持って育ててきたつもりでいましたが、
寂しい想いをしていたのだと告げられたも同然でした。
ミナさえ我慢すれば子供達の心は満たされるのだと。
何もしてくれないパパでも、居るだけで子供達が幸せならと。
そして、子供達はミナが守ると心に誓い、歩き続ける決心をしました。

 近寄るのも嫌、同じベッドなどもってのほか、という時期に起きた事件。
事が起きてからの我慢ではなく、
触れられるのを我慢するほうがよっぽど楽だったと、今になって思います。
しこりを持ちながら夫婦を続けることが出来るのか。
考えても答えなど出る訳がありません。
過ぎていくであろう時間に、頼るしかないミナでした。

                                                    【続く】

posted by ミナ at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ★その後★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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