2009年03月04日

成長した心

ミナの体調の変化をマサ○に少しでも分かってもらいたいと、何度も伝えていました。
手紙を書きながら意識を失いそうになった事、通夜で心臓が苦しくなった時の事、
日中一人で居る時の恐怖感、夜一人では眠れないという事…
考えすぎだと、そんなことを言ってるからおかしくなるんだとマサ○は言いました。
「お前は何でもマイナスに考えるから悪いんだ」
…そう…ミナは究極のマイナス思考…
それが良くないということをマサ○に気付かされました。
体の異変を分かってもらえず心配すらしてもらえない、
それはミナにとってとても辛いことでした。
何かを感じても口に出せず、耐えなければいけないのですから。
…カナの事はマイナスに考えがちです。
カナの変化に気付いてやれなかった自分、助けてあげられなかった自分…
どれをとっても、もっとやってあげられる事があったはずだと・・・
そんな自分を責めているミナに、マサ○は気付いていたのかもしれません。
「カナちゃんは弱かったんだ。お前がどうのこうの言ったって、もうどうにもならない」
…現実をしっかり見ろ!…
そう言われた気がしました。
それからです、心の持ち方を考えるようになったのは。

 今でも、思い切り泣く事や思い切り怒る事は出来ません。
自分がどうなってしまうか分からない、という恐怖心からです。
唯一出来る事…それは思い切り笑う事。
何でもプラスに考え、そして思い切り楽しんで思い切り笑う。
それが、恐怖感から逃れる一番の方法だと分かりました。
人と会った時、笑顔で会話する。時にはふざけて大笑い。
最初は無理して笑っていました。
でもだんだんと、その時々を楽しむようになりました。
腹の底から笑う…もうずっと前から忘れていることだと気が付きました。
笑顔は人を元気にする。笑顔は人を優しい気持ちにする。
それを自分の肌身で感じ、すばらしい事なんだと実感した時には、
自然と自分の心の持ち方を身に付けることが出来ていました。
 
 壊れそうだった家庭は、今少しづつ修復されてきています。
マサ○の自己中心的な行動は許されないと、ずっと思ってきました。
その思いの上にミナの感情が重なり、いつもキツイ言い方をしてきました。
それが逆効果だったのだと、今は反省しています。
お互いがストレスを感じずに仲良く過ごすにはどうしたらいか…
何も言わないのが一番だと、今になって分かりました。
過ごしてきた日々の中で、同じように思ったことがありましたが、
以前は『目には目歯には歯』の精神でした。
やられた分やり返さないと気が済まない、くらいに思っていました。
悶々とイライラを心に溜め込んで・・・
今は違います。
ミナがされて嫌なことをマサ○にしない…ただそれだけです。
それだけなのに、家庭の中は大きく変わりました。
マサ○の行動は相変わらずです。毎日のように家に居ません。
でも、ミナはそれに対してうるさく言いません。
マサ○の居ない時間がミナの自由な時間、と考えることが出来てるからでしょうね。
かえって、感謝するくらいの気持ちでいます。(笑)
 マサ○はどうあれ、ミナ自身は、少し成長出来たと感じています。
これから先の事を考えたり、少しづつですが希望を抱くようになりました。
毎日、今日も頑張るぞという前向きな気持ちでいます。

…大切なものを失って、大切なことを教えられた…
そんな気がしています。。。

                                                   【続く】
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2009年03月03日

心のバトン

 カナは、キンタとタマと三人で暮らしていました。
春にタマちゃんが天国へ旅立ち、それからは二人っきり。
カナが居なくなっった今、キンタは実家で暮らしています。
本当はミナが飼い始めたネコちゃん達だったので引き取りたいのはやまやまでしたが、
キョウが猫アレルギーで、お姑さんが動物嫌い。
どうにもならず、オサムちゃんノリちゃんに託しました。
…カナの最期を看取ったキンタ…
カナが発見された時、寄り添うように足元で丸くなっていたそうです。
ノリちゃんは、キンタによく話しかけています。
「ねえキンちゃん?カナちゃんどうしちゃったの?」
「ねえキンちゃん教えてよ。アンタしかカナちゃんの事分からないんだよ?」
…ニャ〜としか答えてくれませんけど…(笑)

 カナが住んでいたマンションの片付けや、乗っていた車の返却…etc…
悲しむ暇もないくらい忙しかったです。
ただ、それらをオサムちゃんノリちゃんにさせる事は出来ないと、
週に二回ほどミナが実家へ通い、相談しながら事を進めました。
 カナが乗っていた車は、自分の車ではありませんでした。
色々な事情があり借りている状態だったので、返さなければいけないと・・・
オサムちゃんと一緒に返し行った時のことです。
車を貸してくれていた人は、ミナの前夫…アキラの事を知っている人でした。
その人の家に到着し、ありふれた会話。
(お久ぶりです。色々と迷惑をかけてしまってすいませんね…)
「いやいや…大丈夫かい?…カナもどうしちゃったんだか…」
(何だかね〜…よくわかんないけど…ま、仕方ないよ(笑))
「…そう言えば…アキラもだっていうんでしょ…」
((・ω・)ん?アキラもって?・・・)
二人の会話を見守っていたオサムちゃんが、ようやく重い口を開きました。
「…何だか、そうらしいぞ…詳しくは知らんけど…」
カナの車を返しに行って、アキラの死を知ったミナでした・・・
驚きこそはしましたが、それは現実としてすぐに受け止める事が出来ました。
六年ほど一緒に生活した中で、そういう方向に進んでしまっても不思議ではないと、
性格を知っていただけにそう思いました。
ミナに関係は無くても、キョウとジンにとっては血の繋がりのある人です。
もしこの先、本当のお父さんについて聞かれたとしたら・・・
これから先の事を考えると、不安材料になります。
でもその時が来たら…真実を伝えようと思っています…

 親戚の方に手伝ってもらい、カナの住んでいたマンションから荷物を運び出しました。
まっさらになった部屋の掃除を終え、ミナは、カナが最期に選んだ場所に、同じ体制で・・・
カナは、部屋全体を見渡せる場所を選んでいました。
…突発的な行動ではない、とその時思いました。
きっと、部屋全体を見渡しながら、ここで料理したなとか、
ここでキンタとタマが遊んでたなとか、色々な思い出を振り返ったのだと…
自分がしてしまった事に後悔はしていなくても、後に残された人の事を考えていなかった…
今になってそれを悔やんでいる、と感じました。

 ミナがカナの代わりに出来ることは何か。
後に残された人達に、カナとなって言葉をかけることしか思い当たりませんでした。
「姉ちゃん大変だったね…大丈夫?」
カナの友達に会うと、必ずそう言われます。
(大丈夫だよ。色々とありがとうね。)
いつも笑顔で、心配してくれる人達にそう言います。
…こんなカナの為に葬儀に来てくれてありがとう…
きっとカナは、友達一人一人にそう言いたいはずですから。

                                                 【続く】

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2009年02月25日

生まれ変わる自分

一通りの葬儀を終え、普通の毎日に戻りました。
職場には、身内の葬儀で、とだけ伝えて休ませて貰っていたので、
何食わぬ顔で行けば良かったのでしょうけど…
事実が皆の耳に入るのも、時間の問題でした。
ただでさえ、小さな話が尾ひれを付けて有り得ない噂話になり、
あっという間に世間にに知れ渡る…そんな特色のある町です。
ミナだけなら何を言われようと平気ですが、家族に迷惑は掛けたくなかったので、
春の忙しい時期まで、おとなしく家業を手伝おうと決めました。
 
 『家族』…と言っても、子供達以外『他人』です。
ミナの事を、心から理解してくれる人は、残念なことに居ません。
マサ○にカナの事を話した所で、あまり考えるなと一言で終わり。
お姑さんは、普通に家業の始まりの話をし。
ミナを、悲しみの淵から救おうとしてくれているのかもしれませんが、
それがかえって、悲しみを倍増させました。
ミナにとって、カナが居なくなったことはこれからも続く進行形なのに、
マサ○やお舅さんお姑さんには、もう済んだこととして片付けられてしまう。
それが本当に悲しかった。
ミナの、たった一人の妹なのに・・・

 ミナの体の異変も変わらず続きました。
笑うこと以外、感情を露わにすることが出来なくなっていました。
夜はもちろんのこと、日中でも一人で居ると恐怖感に包まれ、
意味も無くウロウロ動き回って見たり、じっとしていられませんでした。
精神的に参ってる?…
そう考えてみても、冷静に自分を分析することも出来、そうではないと思いました。
この恐怖感に負けてしまうと、きっとカナのようになってしまう…
カナに会いたい一心になって、同じ行動をとってしまう…
そう感じました。
気持ちを言葉に表す時、必ず恐怖感が付いて回りました。
子供達を叱るときも、言葉の一つ一つを選んで。
穏やかな心で言葉を発しないと、気が狂ってしまいそうな感覚。
本当に不思議な感覚ですが、その時は恐さから逃れるにはそれしかありませんでした。
マサ○も子供達も、カナが居なくなってからミナが変わったと感じているようでした。
「付き合っている時のオマエみたいだ」
「ママあんまり怒らなくなったよね。鬼じゃなくなった(笑)」
口々にそう言いました。
 何故、ミナがそんな状態になってしまったのか・・・
きっと、霊感体質のカナが居なくなり、ミナがそれを引き継いだ・・・
そう思うのが一番自然かなと思います。
部屋に誰か居る、と言っていたカナ。
ミナが感じるような事に耐えていたとしたら…
訳の解らない内に部屋を荒らしたことも、家に帰りたくない気持ちも、
今のミナには痛いほど解ります…
きっと、本当に苦しくて、何もかもが嫌だと、いっその事…と思ったのでしょう…
ただ…ミナよりも心が弱かった…それだけが大きな違いです。
自分に無理をかけて、それに比例して心が強くなるか、といったら…
強くなったように見えてるだけで、心はそのままか、もっと弱くなると思います。
意地を張っている分、強く見せたい分、自分の心に負担をかけて…
時には人を傷付けて、平気な顔をして、そのぶん心が黒くなって…
きっとカナは、そうしているうちに心が病んでしまって・・・・・
ミナの心の中も、カナの死がなければ、もっと黒くなっていったと思います。
マサ○と話しているうちに熱くなり、言ってはならない言葉を吐いてみたり、
子供達を叱る時に、自分の感情を剥き出しで怒ってみたり…etc…
今まで、此処まで自分を掘り出して考えたことはありませんでした。
元はと言えば、恐怖感が招いたことですが、それがきっかけとなり、
少しずつ、良い方向へと向いているように感じています。
…カナがもたらしてくれた奇跡…なのだと思うようにしています。

 年末にかけて、ミナのやるべき事は沢山ありました。
仕事、家の事、カナの事、オサムちゃんノリちゃんの事。
悲しむ余裕も無いほど、忙しい日々に追われるのでした。

                                               【続く】
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負けられない戦い U

 現実だけど夢のような…そんな感覚のまま葬儀を迎えました。
きっとミナだけではなく、オサムちゃんノリちゃんも、周りの皆もそうだったと思います。
カナの取り巻きの人達が、大勢参列してくれました。
六百人からの人達がカナの為に集まってくれている・・・
(カナ?見えてるよね?…こんなにも沢山の人達が来てくれてるよ…)
(こんなにも皆に愛されていたのに何故…)
(解ったよね?カナは一人ぼっちじゃなかったんだよ?…でも後悔だけは絶対するな!!)
ミナは、心の中でそうカナに言いました。
通夜の席でこそ泣いてはならないと、ミナは感情を押し殺していました。
お経が始まり、ノリちゃんの啜り泣きが聞こえ・・・
(…仕方ないんだよ、カナが自分で決めたことなんだから…)
(…悲しんでちゃ、カナ安心して逝けないよ…)
ミナはそう思うしかありませんでした。
ノリちゃんの涙の意味は伝わってきました。
いつも筋道を立てて、何でもきちんと話していたカナですから、
こんな理由の無い居なくなり方は、納得出来る訳が無いと・・・
 ミナはお経が読まれているあいだ中、体の異変を感じていました。
深呼吸が出来ないくらいの苦しさと激しい鼓動。
少しでも感情を抱けば倒れてしまうと感じた時、恐怖が襲ってきました。
(…恐い…でも負けちゃ駄目…絶対に負けないから…)
そう思った所で治まる訳でもなく、益々ひどくなり。
隣に座っていたマサ○に何度も背中を叩いてもらい、その場をしのぎました。

 通夜が終わり、参列者の見送りの時。
カナの友達の多さに、改めてカナという人間を見た気がしました。
「…姉ちゃん…大丈夫?…」…心配してくれる言葉の数々。
カナに何もしてあげられなかったと泣き叫ぶ子も居ました。
(…誰も悪くないよ…カナが自分で選んだ道だからね…)
(…負い目なんて感じる必要ないからね…)
自分に言い聞かせるつもりでその子に言いました。
 親族が集まった会食の場では、身内ならではの話が繰り広げられていました。
他愛も無い井戸端会議、とでも言うべきでしょうか。
悲しみを隠して、のことなのでしょうけど、ミナはそれを嘘臭く感じ…
(…カナ…何だか寂しいねぇ…起きて本当の事言ってやれ(笑))
ミナは、箱に入れられたカナの頬を触り小声で言いました。

 似てないと言われてきたミナとカナ。
目を閉じたカナの顔は、改めて見るとミナとそっくりでした。
・・・以前、カナと話したことがありました・・・
ミナは、再婚してから、とりあえずまともな生活してるけど、
カナは、何だか、だんだん落ちてきてるよね。
どっかで入れ替わったみたいだね・・・と・・・
この事をマサ○に話すと、縁起でもない事言うなと怒られましたけど。
ただ、マサ○は再婚前の状態を知っているだけに、
「あのままだったら、オマエも分かんなかったよな」…そう言いました。
どこかで運命が入れ替わってたのかもしれない。
もしかしたら、カナがミナの身代わりになったのかもしれない。
心の片隅に、そんな想いが芽生えました。

                                                 【続く】

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2009年02月24日

負けられない戦い

カナが死んだという現実を突きつけられてどん底に落ちて。。。
それでも、ミナにはやらなければいけないことがありました。
…何故カナが死を選んだのか…
その疑問を解明しなければ、ミナ自身が前に進めないと思いました。
使っていた携帯電話
会っていた友達。
勤めていたお店の人達。
その全てから情報を得ないと、カナの事を把握できませんでした。
…姉妹だからこそ、言って欲しかった…
…姉妹だからこそ、言えなかった…
・・・仲良しだったはずなのに、お互いの心のすれ違いを実感しました・・・

 カナと一晩過ごし、ミナは家に帰ってきました。
子供達に理由も告げず突然出掛け外泊したのですから、
精神的に相当な負担をかけたと、今になって思います。
子供達にカナの事を伝えるのに悩みました。
事実をありのまま伝えていいものか、車での事故だと言うべきか。
ミナの中には、カナが自殺したということで後ろめたい気持ちは全くありませんでした。
世間の目も全く関係ありませんでした。
ただ…事実を伝えると、子供達がどう思うか…それだけが心配でした。
交通事故死とは違う、もっと大きな衝撃を受けるのは間違いないですし、
何より、自分で自分を殺めることが選択肢の中に入ってしまうのではないか、と・・・
いけないことだと伝えたところで『大好きなカナ』がとった行動ですから。
…子供達の心の成長具合いを考えると、事実は伝えられませんでした。
 目に涙を浮かべ、子供達はミナの話を聞いていました。
もう会えない、ということが本当に悲しかったようでした。。。
(ママは悲しいけど泣かないよ♪カナちゃん天国に行けなかったら困るし(・ω・))
…子供達の前でも偽りの自分で居なければなりませんでした。

 ミナは、遺品となった携帯電話を持ち帰っていました。
三ヶ月程前からのメールの履歴が残っており、
それを真剣に何度も何度も読み返し、カナの心を辿りました・・・
カナは、心の奥底にある本当の気持ちを押さえつけていました。
…一人が寂しかったくせに、人前では強がって…
…仕事を終えて家に帰るのも嫌でたまらなくて…
ひしひしと伝わってくるカナの心の中。
カナはきっと、無理してでも自分の在るべき姿を作っていたのだと思います。
本当の気持ちを誰に話すことなく、何でも一人で抱え込んで。
仕事の事、プライベートの事、色々な事が重なり合って、
悩んでも考えても答えが見つからなくて、身動き出来なくなって・・・・・
 なんで?どうして?…そう思った所で、もうどうにもなりません。
ミナは、疑問と同時にカナの後悔の気持ちも感じていました。
お互いが無理にでも納得するためには、ミナはその事に執着してはいけないし、
カナは後悔してはいけないと思いました。
(…これからが、本当の意味で強がっていかなきゃいけないからね…)
ミナは自分にもカナにも言い聞かせるように、
伝えたい言葉をただただ文面にぶつけました…カナへの最後の手紙として。
 五枚目の最後に差し掛かった時、ミナは不思議な感覚に襲われました。
気絶寸前と言ったらいいのか、一瞬倒れそうになり、鼓動が激しくなりました。
深夜だったので起きているのはミナ一人。
急に恐くなり、電気も消さずに布団に入りました。
(さっきのは何だ?…もしかしてミナ疲れている?)
(…まともに寝れてないし、ご飯も食べてないからか…)
あまり深く考えないようにしようと、目を閉じました。
(・・・(・ω・)ん!?カナ!?)
眠るどころの状態ではなくなりました。
浮かんできたのは、泣いているような笑っているような、何とも言えない切ないカナの顔。
また鼓動が激しくなり、恐くて恐くてたまらなくて、布団に潜り込んで…
安眠を睡魔に任せるしかありませんでした。

 それからです。
ミナの体に、度々異変が起きるようになったのは・・・

                                                  【続く】
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2009年02月12日

消えた灯火

静まり返った夜の警察署。駐車場には何台かの車。
その中に、オサムちゃんの車がありました。
マサ○と義弟に、気を付けて安全運転で帰るように伝え、ミナは車を降りました。
入り口に差し掛かった時に丁度、オサムちゃんが出てきました。
(…なしたの?…)
「…仕事場にも連絡しなきゃいけないし、家の片付けも頼まなきゃならないから電話する…」
(ノリちゃんは?)
「…二階の喫煙所で座ってる…」
(ミナ行ってるよ?一人で大丈夫かい?)
「…大丈夫だ…」
こんな、至って普通の会話をしました。
ミナはそれ以前に、自分がしっかりしなきゃいけないと思っていたので、普通に振舞いました。
 警察署の中に入ると、数人のおまわりさんが仕事をされていました。
親族が訪れたと皆が思っているのは、その視線で痛いほど感じました。
階段を上り少し歩くと、ノリちゃんは喫煙所の椅子に座っていました。
(…ここにいたんだ…)
「あれ!?来たんだ…」
(当たり前でしょ…トッコおばちゃん、連絡くれたんだよ…)
ノリちゃんは、頭の中が真っ白になっていたようで、
自分が理解する為に一つ一つ考え、ミナに問いかけてきました。
カナから何か聞いていないか。
トラブルに巻き込まれていなかったか。
病気はしてなかったか。etc…
ミナは、あれだけ色々な話をしていたのに、
残念ながら、ノリちゃんに聞かれた事に対しての答えは持ち合わせていませんでした。
ノリちゃんの問いは、取調べで得た情報のようでした。
「…あれだけちゃんとしていたのに、何で…」・・・それは誰しもが思うことでした。
 電話を終え戻ってきたオサムチャンも椅子に座り、三人それぞれが色々な事を考えていました。
無言のまま、どれくらい時間が経ったのか・・・取調室に案内されました。
机の上には、カナのバッグ携帯、一冊のノート。
目の前の担当の方が話し始めました。
検死が終わったと言うこと。
カナが発見された時の状況と死因。
携帯電話の最終発信者に連絡を取ったということ。
ノートに書かれていた内容。
…検死結果、窒息死。部屋は荒らされている様子も無く、
テーブルの上に、飲みかけのビールと走り書きが残されたノートがあったということでした。
ノートには、オサムちゃんノリちゃん宛にメッセージが書かれ、
その下にミナ宛のメッセージがありました。
・・・遺書、と一般的に言われるもののようでした。
・・・カナは、自殺と断定されました・・・
そんなはずはない。
きっとミナがそう思ったように、オサムちゃんノリちゃんも思ったはずです。
(カナ、こんな汚い字書かないよ!?)
「…酔っ払って書いたんだ…これはカナの字だ…」
そのオサムちゃんの言葉を聞いて、ミナは込み上げてくる涙をこらえました。
…泣かない!泣くもんか!!!…
悔しくて認めたくなくて、ただただそう思いました。
 一通り話を聞き、カナが居る安置所に案内されました。
そこは、一度警察署から出て、外からしか行けない場所でした。
(…なんでそんな離れた寂しい場所に…)
そう思いつつ、口からは、寒いね〜…なんて。
この時は頭と心が完全に分裂していました。
 安置所の戸が開けられ、そこには、カナが毛布を被り横になっていました。
「カナー!!!!なんでこんなんになっちゃって・・・・・」
ノリちゃんが泣き叫びカナに近寄った時、ミナは涙を流さずにはいられませんでした。
カナは、ミナがプレゼントしたパジャマを着て、眠っているようでした。
頭を撫で、頬を触り、手を握り。
本当に眠っているようなのに、体は硬く冷たかった。。。
今にもミナ?って目を開けそうなのに、決して開けませんでした。。。
この時のミナは、自分の思ったことを口に出来ませんでした。
感情を露わにすれば、ミナが壊れてしまうと感じたからです。
本当は、何で?どうして?カナ起きて!と泣き叫びたい気持ちでした。
でもそうしてしまったら、気が狂ってしまうと自分で解りました。
オサムちゃんノリちゃんの前で、ミナが狂ったら・・・それはあってはならない話ですから。
頭で冷静に考える事が出来ただけ、救われました。
 葬儀社の方が到着して、カナを車に乗せ実家へと向かいました。
実家には、おじさんおばさん方が先に来て、カナの帰りを待ってくれていました。
仏壇の前に寝かせられたカナ…顔には白い布。
ミナはその光景がたまらなく嫌で、白い布を外し、ずっとカナの傍に座っていました。
苦しかったよね、辛かったよね、限界だったんだよね・・・
心の中で何度も何度もカナに言いました。

                                                    【続く】
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・・・命・・・

2008年、秋。
家業の仕事が一段落つき、休む間もなく次の仕事へ行き始めました。
家庭内の色々な事を忘れられる唯一の時間。
ただ…相変わらず雰囲気の悪い職場で…
一生懸命やっているつもりでも、要領の悪さが目立ち指摘されてしまったり、
そんなささいな出来事でも凹んでしまうミナでした。
家でも職場でも精神的に追い詰められているようで、本当に苦しかったです。
その絡みもあってか、体調を崩し病院へ行くようになりました。
通っていたのは婦人科で、病気とかではありませんが、
ストレスを受けると婦人科は特に異常が現れやすい、と先生に言われショックを受けました。
体調が悪く仕事を休んだとマサ○に伝えた時、特にミナを心配する様子も無く、
収入が減る、ということを真っ先に口にしました。
頭の中はお金の事でいっぱい。
家計ではなく、自分の小遣いが減る心配から出た言葉だと思います。
やっぱり自分が可愛いのだとつくづく感じました。
定期的に薬をもらいに通院しなくてはなりませんでしたが、
それがかえって息抜きになっていたのも事実だったりします。
お互いの時間が合えば、カナの所へ遊びに行ったり、一緒に買い物したり。
たまに思い切り断られる事もありましたが(笑)、ミナにとっては貴重な時間でした。

 家に戻れば、またミナ一人が苦しむ環境。
もう考えるのは止め。もうどうでもいい。このまま居れば何とかなるだろうし。
半ば投げやりに思っていました。

 10月16日。その日の夜も、いつものようにパソコンゲームをしていました。
ミナ宛に一本の電話。

「もしもし?ミナ?」
聞いたことのある声でしたが、ピンと来ませんでした。

「おばちゃんだよ?こんばんは。」

(あ〜トッコおばちゃん!びっくりしたよ〜♪どしたの〜?)

「ミナ?いい?落ち着いて聞いてよ。」

(…うん…)
一瞬、オサムチャンに何かあった!!??…と思い身構えました。

「…カナが……死んだって…」

ミナは、心臓の鼓動が止まったように感じ、受話器を握ったまま動けませんでした。
おばさんから、話を知った流れを聞き、オサムチャンに連絡が取れないと聞き、
頭の中でそのことを整理しました。
オサムチャンにはミナから連絡すると約束し電話を切りました。
嘘だとは思いながらも、オサムチャンに連絡をしなきゃと思い、携帯電話を持ちながら、
家の中をウロウロと歩き回っていたのは記憶しています。
子供達には話を聞かせられないと思ってそうしたのですが、
狂ったように大声を出してるミナに、子供達は異変を感じずには居られなかったようです。
 オサムチャンには繋がりましたが、もうすでに、警察署で取調べを受けているとのことでした。
ミナはいてもたっても居られず、マサ○と義弟に運転を頼み警察署へと向かいました。
約一時間の道中、何も考えることが出来ませんでした。
見るまでは分からない。
現実と直面しているのに、心の片隅でそう思っていました。

                                                    【続く】
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2009年02月06日

爆弾

家庭、家族の状態を見据えながら、ミナ自身との戦いが始まりました。
自分の心の真ん中にあるものは表に出さず、家族それぞれの見えない糸を結ぼう。
この時の想いは一か八かの賭けでした。
自分自身で限界を感じていたのなら、ミナの性格上、即捨てていたと思います。
何故進むことを決めたのか…きっと、反逆児だからでしょう。。。

 ヒカルが幼稚園に行くようになって、世間に目を向けました。 
家業の時期以外に、体の空いている春先と秋に使ってもらえる職場を探し、通い始めました。
まるきりやったことのない仕事内容。
知り合いなど居るはずもなく同年代の人も居ない、まして他の人は永年勤めている人達ばかり。
ここでも、ほとんど会話の無い環境を強いられました。
お姑さんタイプの人達が多く、話し方が素っ気なかったり怒っているような口調だったり。
土地柄のせいだと解っていながらも、なかなか馴染めませんでした。
これって女性がやる事?と思うほどのハードな仕事。
ミナは年齢も一番若かったので、暗黙の了解でキツイ所に回ります。
心も壊れかけ修復しきれていないうちに、体をも痛めつけるような日々でした。

 新しい仕事を始めてからも、家庭の雰囲気が変わることはありませんでした。
もちろんです…ミナの心が不安定なままですから…
頑張らなければいけないと自分を奮い立たせてみても、
それは、仕事に対しての気持ちに当てられてしまい、
家庭内に向けることが出来なくなっていきました。
そしていっぱいいっぱいになった挙句、何も考えられなくなりました。
考えてみても先のことは何も見えては来ず、かと言って希望を持つ訳でもなく。
家庭内の状況も、良くなりもせず悪くなりもせず。
流されながら、ただ何となく過ごしていました。
この頃です…一人になれたらどんなに楽だろう、と思ったのは…
 
 流されながら一年以上も過ごしました。
ただ何となくの意味の無い毎日。
パソコンに向かいゲームに夢中になる、そんなミナになっていました。
たまに出掛け、買い物帰りにカナの部屋に寄り、お互いの近況報告。
ミナは相変わらずマサ○の愚痴。
カナはこの頃色々とあり、夜の世界に足を踏み入れていました。
しかもチーママとして働いていたので、考える事も沢山あったようで…
愚痴るよりは相談的なことのほうが多かったです。
いつも、考えても答えは出ないよね…という感じの会話で終わりましたが、
素のミナでありのままを話し、割とすっきりした気分で帰って来ていました。

 ある日、いつもの様に買い物に出掛けたミナでした。
普段なら、買い物を終えてからカナの所に向かうのですが、
たまに付き合ってもらおうかと思い、朝一番で連絡をとりました。
まだ寝ているであろう午前11時。
呼び出しのベルが1回鳴っただけでカナはすぐに出ました。
((・ω・)あれ?早いね〜起きてたの?)
「…うん。」
(たまにさ買い物でも付き合ってよ?)
「…ちゅうか寝てないと思うし。」
((・ω・)は?思うしって何さ?)
「…何があったか解んない。」
(解んないって、どういうこと?)
「…部屋の中…酷いことになってる…」
(・・・・・・・・)
「爪も割れて痛いし、何かアザも出来てる。」
(ちょ、今行くわ。鍵開けといてよ?)
「・・・・・・・・」
ミナはすぐさまカナの所へ向かいました。
部屋の中は、テレビが転がり鉢植えの土はばら撒かれ、まるで乱闘があったかのような状態。
カナの様子は、いつもと違うとすぐに分かりました。
(…今朝、どうやって帰ってきた?)
「…タクシー。」
(誰かに送ってもらって此処に入れたんじゃないの?)
「いや、誰も来てない…一人。」
(酔ってて覚えてないだけなんじゃないの?)
「・・・いや・・・誰も来てない。」
(じゃ、なしてこんなんなってる?)
「…カナ…自分でやったと思う」
「…9時くらいになって、気が付いたらこうなってた…」
一点を見つめ、そう話すカナに恐怖感を覚えました。
ただ事では無いと感じ、まずはこの場から連れ出そうと支度するよう言いました。
「…顔も洗ってないんだけど…」
(そんなのどうでもイイから早く支度しな!!!!)
荒みきった姿のまま、上着を羽織らせ車に乗せました。
普段から「部屋に誰か居る感じがする」と言っていたカナだっただけに、
ミナはその「見えない何か」の存在を目の当たりにしているような気がしていました。
(…何処に連れて行けばいいんだ…寺か…神社か…)
ミナは慌てながらも、10年ほど前に厄払いを受けた場所を思い出しました。
そこはカナも厄を払ってもらった場所で、そこに向かいました。
 その場所に着き、ミナは車を降りました。
「…降りるの?…降りなきゃ駄目?」
(当たり前だべさ。早くしな!!)
急ぐミナとは反対に、乗り気でない様子のカナ。
半ば無理矢理に車から降ろし、玄関へと向かいました。
そうすると今度は、玄関に入りたくないと言い泣き出しました。
この時のミナは、いつもと全然違う、見たことの無いカナの姿に、
「見えない何か」が重なっていると思わざるを得ませんでした。
(そんな事言ったってどうするの?このまま帰るわけいかないからね!!)
怯えるカナの手を引き部屋の中へと入り、二十分ほど経った頃でしょうか。
カナは重い口を開き始め、見る見るうちにいつものカナへと戻りました。
今思っても、不思議な体験でした。
一番不思議に思っていたのはカナでしょうけど。

 一難去ってまた一難…とでも言うべきでしょうか。
何も考えないでただ過ごしていたミナに、味わったことのない刺激が与えられました。
霊感体質…それは、同じ姉妹でもミナにはないもので、もちろん解るはずもありません。
普通に戻ったカナにその時の事を聞かされても、言葉では理解できても
頭がついていきませんでした。
でもそれがカナの感じる現実ならばと、今後気を付けるように言いました。
カナの性格を解っているだけに、これでもう大丈夫、とミナはひとまず安心しました。

                                                    【続く】
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2009年02月03日

逆境で見えたもの

事件のことは誰にも言えず、悶々と毎日を過ごしていました。
第一発見者のカナは、何も言って来ないミナにしびれを切らし、連絡を寄越しました。
カナにだから話せた、逆に、カナにしか話せない事実でもありました。
相当なショックを受けていたのは、口調ですぐに分かりました。
「で?どうする気?」
(どうするもこうするもないわ。しばらく様子見て考えようと思って。)
「また同じことになんないように、ちゃんと見なきゃ。」
(それ当たり前だから。今すぐはないと思うけど、かえってこれからの方が大変だわ…)
「・・・とんでもない話だよな。ありえないわ、ホント。」
ミナが思っている気持ちを、カナが代弁しているようでした。
怒りとも呆れとも言える、何とも言えない気持ち。
カナが同じ気持ちになってくれていることが、ミナにとっては救いでした。
離婚はせずに突き進むとカナは察していたようで。
「次こんな事あったら、即離婚だな。3人子供居て×2かよ、すげーな。(笑)」
「ま、無いとは思うけどさ。まずは頑張れ。」
冗談を交えながらも励ましてくれ、心が楽になったのを覚えています。
オサムちゃんノリちゃんには絶対に話せないと言う事だけは、姉妹の暗黙の了解。
きっとノリちゃんは、何かがあったはずだと感づいていたはずです。
カナに聞いていたのかは分かりませんが、あえてミナに聞くこともありませんでした。
カナの存在が唯一の救いでした。

 マサ○がどういう人か、改めて考え始めたのはこの頃からです。
我侭で自己中心的なのは見ていてはっきりと分かりましたが、
人には見せない部分…見られたくない隠し持っている心を見るようになりました。
そう簡単に見えるものではありませんが、
ミナの言葉に反応した時の態度や顔つきを観察していくと、
自然と見えてくるものがありました。
根は優しく、どちらかと言えばおとなしい性格で、悪人ではないということ。
根底で考えていることは正論に近く、ミナがそれに反したことを言えば激怒。
自分の欲求が満たされないと、精神的にダメージを受けやすく、殻に篭る。
逆の場合は、全身にパワーがみなぎった様に元気いっぱい。
単純…ナルシスト…臆病者…自己愛者…
少しづつ、マサ○が見えてくるようになりました。
完全にミナを頼り切っているのは最初からで、それに対して腹を立てていましたが、
それは、ミナ自身が、マサ○を知り尽くしていなかったから。
…大人になりきれていない大人…
マサ○を表すのには、この言葉が一番ふさわしいです。
こうなってしまったのは、幼い頃の環境が大きく関わっているのも避けられません。
育てた人達の間違った愛情が、マサ○をこうさせたのだと思うようになりました。
そのことに気が付いてからのミナは、マサ○を、
子供達の前では父親として、内心では子供として見るようにしました。

 事件から半年ほどで、ヒカルが幼稚園に、キョウとジンは進級しました。
ミナが定まらないと、子供達に影響を与えてしまうからと思い、普通に装う努力をしました。
考えないように、触れないように。。。
血の出る傷は若い人ほど治りが早いからと、子供達の心の傷も同じであってほしいと願い
ました。
子供達の笑顔を沢山見ていくうちに、ミナの傷が癒されていくのを感じました。
夏頃には、キョウの後頭部の円形に、少しずつ毛が生えてきていました。
…このままでいい…このまま…
崩壊しそうな家族それぞれに、そういう想いでいました。
ミナはいつしか、家族から一歩離れた目線で一人一人を見るようになっていました。

                                                     【続く】
posted by ミナ at 16:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ★その後★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

身に沁みる逆境

その後しばらくの間は、マサ○の顔を見ることすら出来ませんでした。
…憎悪…
ミナの心は、それに支配されていました。
でも、子供達の前でそれをあからさまに表す訳にもいかず、ただじっと耐えました。
見ていれば、キョウがマサ○を避けているのも分かりました。
子供達を守ると心に誓い、進むと決めたのはミナだから、
その微妙な雰囲気を変えるのもミナの役目だと、本心を押し殺し自分に言い聞かせました。
家族、と呼べるような状態ではありませんでしたが、
同じ空間に居るそれぞれが、少しずつでも歩み寄れるようにと、
常に様子を伺い、雰囲気を読み、発する言葉にまで神経を使うようになっていきました。
…心の中では二人のミナが喧嘩しているようでした。どちらも引かず、治まりがつかず…
そのままの状態で、進み続けるしかありませんでした。
 
 その事件から半月ほど経ったある日、キョウとジンは実家へ泊まりに行きました。
オサムちゃんはキョウにメロメロで、お泊りも毎月恒例となっていました。
そこにカナが加わり、いつも賑やかに過ごしているとカナから聞いていたので、
少しでもキョウの心の傷が癒されるようにと、祈る気持ちで行かせたのを覚えています。
カナは手先が器用で、いつもキョウの髪を綺麗にまとめてくれていました。
その時も可愛くしてあげようと思ってくれていたはずですが・・・
カナは、キョウの頭に円形脱毛があるのを見つけました。
カナには事情を話していなかったので、その場で会議となったようでした。
右耳の上と後頭部にそれは出来ていました。
普段、髪をとかすことしかしていませんでしたから、ミナは全く気付きませんでした。
そんなになるまで精神的に追い詰められていたのかと思うと、
自分の決断のせいで…と思わざるを得ませんでした。
もちろんマサ○にも伝えました。
アンタのせいで精神的に追い詰められている、と。
どう思って聞いたのでしょう。
多少の反省はしたのかもしれませんが、様子を見ていれば分かります。
日に日に大きくなるハゲとは反比例・・・
それを心配することなど一度もありませんでした。
きっとマサ○の中では、触れられたくない事実だからこそ、考えないようにしていたのでしょう。
そんな簡単な問題ではないという事を解らせる為にも、ミナはあえて、
病院で言われたこと、薬の事、ハゲがどうなっているか見せたりと、
マサ○の心に杭を打ち続ける気持ちで、逐一伝えました。
植えられているのか、折れてしまったのか。。。それはマサ○だけが知るところですが。。。

 何故、子供達をも巻き込んでこの苦しみから逃げないのか・・・
…×2にはなりたくない…
…父親の居ない子供達が可哀そう…
そんな簡単な気持ちではないことに気付いていました。
ヒカルが結びつけた縁ですが、ミナが自分で選んだ道、だからこその意地です。
自分の生き方に間違いはないと、絶対にマサ○を変えてやると、執着した意地でした。
心のど真ん中にこの気持ちを置き、時間に身を委ねる生活を続けるのでした。

                                                    【続く】

posted by ミナ at 11:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ★その後★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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